変形性股関節症

変形性股関節症とは

股関節の軟骨が摩耗して骨同士が直接ぶつかり合い、炎症を引き起こす疾患です。股関節は骨盤と大腿骨の頭が組み合わさっており、軟骨はこれらの骨が摩擦せずに滑らかに動くのを助けています。しかし、加齢や肥満、遺伝などの要因で軟骨が摩耗すると、痛みや可動域制限、歩行障害などの症状が現れます。

変形性股関節症の症状

初期は立ち上がるときや歩き始めの際に股関節痛を感じます。また、進行すると股関節の動きが制限されるため、階段の昇り降りがつらくなったり、歩行障害を生じます。

変形性股関節症の原因

主に女性の乳幼児期の発育性股関節形成不全など、子供の頃からの股関節の発育障害が原因となることが多いです。男性でも発症することがあり、年齢や肥満などの要因も関与します。

変形性股関節症の治療方法

保存療法

痛みの緩和には、低周波治療器の利用や可動域訓練などのリハビリテーション、内服薬の服用が効果的です。また、股関節周囲の筋力トレーニングを行うことで負担を軽減できます。

手術療法

手術は、年齢や進行状況に応じて専門医との相談の上で決定され、主に人工股関節置換術や骨切り術を行います

臼蓋形成不全

臼蓋形成不全とは

股関節は、骨盤と太ももの大腿骨との関節で、球状の関節を形成しています。この関節の大腿骨の頭部を覆う屋根のような部分を臼蓋と呼びます。臼蓋形成不全とは、この臼蓋が十分に発育せず、大腿骨を完全に覆えない状態のことを指します。これにより股関節に局所的な負荷がかかり、軟骨が摩耗して将来の変形性股関節症につながります。

臼蓋形成不全の症状

股関節が正しく機能せず、軟骨に負担がかかることで痛みを生じます。症状が進行すると疼痛により歩行障害に至ることもあります。

臼蓋形成不全の治療方法

保存療法

保存的治療では、症状の緩和のために薬物治療を行います。また、体重管理や歩行時の杖の使用、洋式生活への切り替えなどの生活指導を行い、関節への負担を軽減します。さらに、リハビリテーションによる股関節周囲の筋力強化や柔軟性を高める運動を行い、関節の安定化や痛みの予防を目指します。

手術療法

手術治療では、主に関節を温存する骨切り術が行われます。骨切り術にも様々な方法があり、年齢や進行状況に応じて専門医との相談の上で術式を決定します。